満たされない欲望は底抜けのバケツである
生きていれば欲が生まれるのは当然だ。
欲には食欲・性欲・睡眠欲からなる三大欲求をはじめ、生理的欲求や社会的欲求などがあげられるが、どれもある程度満たされれば普通は満足でき、日常生活に支障をきたすようなことはないだろう。
しかし時折、この欲が満たされない状態が存在する。
一般に欲求不満と呼ばれるものだ。
そして私は承認欲求に関してだけ、常に欲求不満なのである。
認められたい、必要とされたいという感情の弁が壊れている。どれだけ認められても足りないのだ、これは深刻な問題である。
求められれば応えずにはいられないし、必要とされることに快感を覚える。
この快感が私を狂わせさまざまな行動を起こさせるのだ。
側から見ればお人好しにも見える私の行動だが、根底にあるのは優しさではなく欲である。
家族、恋人、友達からの承認では足りない、全人類から認められたいという病的なまでの欲が満たされることはきっと一生涯ないのだろう。
それは底に穴の空いたバケツと同じようなもので、穴の空いたバケツはどれだけ水を汲んでも下から零れて満杯になることはない。
そして私のこの欲望も1度は満たされたように感じられても底から零れ落ちてすぐに空にしてしまう。
理解はしていてもやめられない、多少無理をしてでも欲のためならばと体が動く。
枯渇した心が満たされる日がどうか来ますようにと願って私は今日も眠りにつくのだ。