ベガとアルタイルの怠惰
世の中にどれだけ七夕が浸透しているのかは分からないが、大抵の日本人は笹に願いを書いた短冊を吊るし織姫と彦星の再開を祝う日であるということくらいは知っているだろう。
どの程度認知されているかなんてここでは大した問題ではないのでどうでもいいのだけど、私の疑問は「この願いは織姫と彦星が叶えてくれるのか」という点である。
そうだと仮定した場合、遊び呆けて引き剥がされたような男女が他人のどうでもいい願いなど聞き入れるだろうか?
否、私がその立場なら絶対にそんなことはしない。1年に1度の貴重な再開の時をそんなことに割いている暇はないのである。
そしてきっと彼らもそのはずだ。
だとすれば短冊の願いが叶うことはほぼ皆無に等しい。
もしも聞き入れてくれるような寛大な心の持ち主だったとしても、君たちは人の願いを叶える前にまず仕事をした方がいい、そうすれば毎日でも会えるだろうに。
美談のように語られる2人の愛は自身の怠惰によって崩壊するのだ。
なんと哀れな、まあ自業自得としか言いようがないのだが。
ここまで七夕について語ったものの正直2人の愛だの恋だのの話はどうでもよくて、私はただ短冊の願いを叶えて欲しいのである。
つまり何が言いたいかというと五百億円が手に入りますように。